日本でもじわじわ人気が出てきたチャイルドトレーラー。しかし情報はまだ豊富とはいえず、どうやって選べばいいかわからないですよね。
このようなお悩みの方に、チャイルドトレーラー使用歴5年の筆者が実際の経験をもとに選びかたをお伝えします。
選びかたよりもおすすめをすぐに知りたい!という方は目的別おすすめへジャンプ!
チャイルドトレーラーの基礎知識
前提として、ほとんどのチャイルドトレーラーには共通点があります。
- 安全規格の認証取得
- 対象年齢
- ベビーカーモードではエレベーターに乗れる
順番にみていきましょう。
共通点1 安全規格の取得
現在日本で購入できるチャイルドトレーラーはASTM規格、EN規格などアメリカやヨーロッパでのベビーカーの安全基準を満たしているものがほとんどです。
- Thule(スーリー)
- Burley(バーレー)
- Allen(アレン)
- WIKE(ワイク)
- PORTUS(ポルタス)
- Schwinn(シュウィン)
- InStep(インステップ)
これらのメーカーはASTM規格、EN規格のうち少なくともどちらかを取得しています。
特にThule(スーリー)、Burley(バーレー)の2社は欧米で2大トレーラーメーカーと呼ばれており、ASTM規格、EN規格の両方を取得しているため安心です。
共通点2 自転車でけん引できるのは1歳~6歳くらい
1歳(ヘルメットをかぶった状態で自分でしっかり座れる)~耐荷重45kg(6歳×2人くらいまで)のものがほとんどです。
別売りの乳幼児用インサートを使用すれば0歳でも乗せられる機種もありますが、1歳になるまではベビーカーモードのみの利用になります。
また、耐荷重的には乗車可能であっても、一番最初にきつく感じるのは2人の子どもの体の幅です。
体格が大きめな男の子2人だと、5歳くらいで肩が当たって乗れなくなるかもしれません。
追記:双子が6歳になりました。「せまい~」と言いつつも男子二人で乗ってくれています。
共通点3 ベビーカーモードがあるタイプはエレベーターOK
ベビーカーモードで使用するならエレベーターの入り口幅である80cmを超えないことが必要です。ベビーカーモードにできる機種では車体幅が80cm以下になるようきちんと配慮されています。
ただし、5万円以下の廉価版モデルはベビーカーモードにできないタイプがほとんどですので注意が必要です。
チャイルドトレーラーを選ぶ時のポイント
チャイルドトレーラー選びで重要なポイントは5つです。
ただ、これらの機能をすべてそろえようとすると、つくりのしっかりした比較的高価な価格帯のものを選ぶことになります。
「とにかく安く済ませたい」というかたもいらっしゃるでしょう。
ポイントを押さえていれば、自分に必要ない機能は捨ててできるだけ金額を抑えることもできます。
最初は廉価版モデルを使ってみて、不満があれば高機能モデルに切り替えることもできます。
ポイント1 耐久性はどうか
5万円以下の廉価版モデルの耐用年数は1年程度だと考えるべきでしょう。
「1ヶ月で布が破けた」「雨水が浸水してきた」などのレビューがあるものも。
とくにトレーラー前方のフレーム下部の布が、走行中に段差に接触して破れてしまうという現象がよく起こるようです。
わたしはスーリーを使っていますが、この部分が布製でなくしっかりしたフレームなので布に穴が開くことはありません。
ポイント2 ベビーカーモードで使えるか
機種によりベビーカーモードにできるものと、自転車けん引専用タイプがあります。
おすすめはベビーカーモードにできるタイプです。
さらに、子どもを乗せたままけん引モードとベビーカーモードを切り替えられる機種だとさらに使い勝手がいいでしょう。一度車体を倒さないと裏面のけん引バーを収納できない機種もあります。
けん引モードだけだと不便を感じる場面が多くあります。実際にわたしがベビーカーモードにできてよかったと感じたのは、以下のような場面でした。
- 雨の日
- 雪の日
- スーパーなどに寄り道するとき
雨の日は、最初にベビーカーモードにしておきます。屋根のある場所で双子を乗せてレインカバーをかけ、ベビーカーモードのまま自転車置き場まで行って自転車につなぐことができます。
子どもは雨が降っていてもおかまいなしで、なかなか乗車してくれないことはしょっちゅうです。
筆者は雪の日は年に数日しかない地域に住んでいますが、雪が少しでも積もっていると双子を歩かせるのは危険だし時間がかかるしと大変です。チャイルドトレーラーは車輪が大きいので、除雪されていない道でも押しやすかったです。
スーパーの中までチャイルドトレーラーを手押ししていけるのも助かります。子どもが寝ていても起こさずに済み、荷物もたくさん積めます。ただ、車体幅が80cmほどあるので広めのスーパーを選ぶ必要があること、けん引バーが収納できない(前方に突き出す)タイプだと周囲の人の足や棚にひっかけてしまう危険があることに注意が必要です。
結論として、
- 子どもを乗せたままけん引モードとベビーカーモードを切り替えられる
- けん引バーを収納できる
これらはぜひ欲しい機能だと思います。スーリーのChariotシリーズやバーレーのD’Lite X、ポルタスのリブラ・ネオがこれに該当します。
ポイント3 展開・折りたたみ・自転車への接続は簡単か
チャイルドトレーラーの購入を検討している方は、保育園や幼稚園への送迎を想定していることがほとんどでしょう。
毎日使うものですので展開・折りたたみ・接続の簡単さとスピードは重要です。セッティングに苦戦しているあいだに子どもから目を離してしまうことになるのも心配です。
スーリーのChariotシリーズは左右のボタンでワンタッチ開閉できます。Corster XTやバーレーのものは、カバーを開ける→畳むの2動作で折りたたみ・展開ができるのでこれらも簡単です。
一方で、手間がかかる・男性の力が必要など、展開・折りたたみが困難な機種は廉価版モデルに多いです。展開したまま収納する場所があるかたや使用頻度が低いかたにおすすめします。
自転車への接続は、スーリーが採用しているezHitchが一番簡単で10~15秒ほどで接続できます。また、バーレーのフレックスアダプターも優秀です。
ポイント4 収納時のサイズはどうか
子どもを2人乗せるものなので、どうしても収納時も場所をとってしまいます。とはいえ、折りたためる機種であればツインベビーカーの収納とさほど大きく変わりません。
なかにはとてもコンパクトにできる機種もあります。アレンのAS2-Gなどがそうです。ただし、収納・展開時の手間がかかるものもあるので、毎日の作業となるとストレスになります。
ご自分の使用頻度や住環境に合わせて選択する必要があります。
ポイント5 乗っている子どもは快適か
子どもの快適性を決める要素は大きく2つあります。
- サスペンションの有無
- クッションシートの有無
これらは各メーカーの上位モデルでのみ搭載している機能で、バーレーのD’Lite X、スーリーのChariotシリーズなどが該当します。
ロードバイクが趣味で子どもと一緒に長距離ライドを楽しみたいかたや、悪路を走行するかたにはおすすめです。
ただし、10〜15分乗車する程度ではなくても問題にならないレベルですので、日常的な送迎にしか使わない方は必要ないでしょう。
ポイント6 接続アダプターが自転車に適合するか
自転車への適合性は、趣味のロードバイクなどでチャイルドトレーラーをけん引したいかたは特に注意が必要です。
接続アダプターは、自転車後輪のハブ軸(後輪の真ん中)に装着します。一般的な自転車であればスタンドが付いている部分です。
ほとんどの自転車では問題にならないことが多く、干渉する場合でも専用の延長ナットも無料でつけてくれるお店もあります。
わたしはeバイクのサイドスタンドとママチャリのような両立スタンドの2つに接続アダプターを装着しています。
サイドスタンドとは干渉してしまうため、延長ナットを追加しやや上向きに装着することで使えています。
または、サイドスタンドを後輪のハブ軸(車輪の真ん中)ではなくフレーム(サドルの下)に装着する方法もあります。
バーレー・スーリーの大手2社はほぼすべてのタイプに接続できます。インステップやシュウィンなどのメーカーでは、互換性がない自転車もあります。
検討しているチャイルドトレーラーが自分の自転車には接続できるのか、購入する代理店や自転車店などで事前に確認しましょう。
英語ですが、GearLabというレビューサイトが参考になりました。
目的別 チャイルドトレーラーのおすすめ
それでは目的別のおすすめをご紹介していきますね!
チャイルドトレーラーは安さ重視!
- 1年使えればいい
- ベビーカーモードはいらない
- たたまずに置ける広い保管場所がある
こんなかたには5万円以下の廉価版モデルがおすすめです。
チャイルドトレーラーは送迎で使いたい
- 2年以上使いたい
- ベビーカーモードにしたい
- 毎日たたんで収納したい
保育園・幼稚園の送迎などで使いたいというかたには、利便性が高くしっかりとしたつくりのものがおすすめです。
ベビーカーとして0歳から使いたい
チャイルドトレーラーは乳児用スリングを追加すれば、手押しのベビーカーとして生後0~1ヶ月でも乗せることができます。
趣味として子どもと自転車を楽しみたい
長距離ライドを楽しみたいかた向けには、子どもの快適さを追求した上位モデルがあります。
調節可能なサスペンション、プレミアムシートパッド、個別のリクライニングなどを装備したモデルもあります。
チャイルドトレーラーの選びかた まとめ
チャイルドトレーラー各機種の共通点は3つでした。
- 安全規格の認証を取得している
- 自転車けん引の対象年齢は1~6歳
- ベビーカーモードではエレベーター可
そのうえで、チャイルドトレーラー選びで重要なポイントは5つです。
これらを考慮したうえで、あなたに合った機種をみつけてくださいね。